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失敗しない弁護士の選び方

このホームページをご覧いただいているということは、相続問題のお悩みを解決できる弁護士をお探しなのかと思います。しかし最近では弁護士が運営しているホームページは非常に多く、どんな弁護士に相談すればいいか迷ったというお声も聞かれるようになりました。弁護士を40年以上経験してきた私から弁護士の選び方のポイントをお伝えしたいと思います。

相続トラブルの解決を弁護士に依頼しようとするときに、失敗しない弁護士の選び方は、簡単ではありません。

一般に、

  • 相続問題に関して解決実績を多数持つ弁護士を選びましょう
  • 弁護士にかかる費用を丁寧に説明する弁護士を選びましょう
  • 話を最後まで聞き、メリット・デメリットの両方を説明する弁護士を選びましょう

と言われています。

しかし、その弁護士が、相続問題にどれだけの実績を持っているかは外からは、分かりません。

相続問題に関して解決実績を多数持つ弁護士を選びましょう

実際に面談して、自分の抱えている相談について、その弁護士が、あなたの話を遮らず、しっかり聞いてくれるかどうか、また、その説明が、本当に分かりやすくて理解でき、質問に丁寧に答えてくれるか、解決までの時間と手続の流れを丁寧に説明されているかどうか、また、その仕事を依頼したときに、相談者から質問する前に、弁護士のほうからしっかり費用について説明をしてくれるかなど、一連の弁護士の相談の態度をみて、あなたが安心できる、信頼できると思えば、その弁護士は、あなたに取って良い弁護士だといえるでしょう。

また、すべての弁護士が相続問題に精通しているわけでもありませんし、相続事件を多く扱っている弁護士でも、相続人が生前に被相続人である親の療養看護を永くしていたことから他の相続人より多くの相続分を認めてほしいという「寄与分の請求」の相談をしたとしても、寄与分が認められる裁判実務の要件はとても厳しくて、要介護2以上の介護認定がなされていないと原則認められませんが、この寄与分の手続の仕組みや、実際に裁判所がどの程度の寄与分を認めてくれるかについて、たくさんの経験を持っている弁護士は多くありません。

生前に、被相続人からまとまった金銭をもらったケースの特別受益の問題、相続人ではないけれど、亡くなった人に対する特別の療養看護をした人などに認められる、特別縁故者の財産分与の請求でもそうです。

したがって、相談の際に、質問すればなんでも経験に基づき、瞬時に答えられるわけではないこともあります。その場合には、弁護士もあなたの質問について、調査をしてから回答をすることになります。

このように、相続問題の仕事の分野は、経験が豊富な弁護士でも、意外に複雑で難しい法律分野なのです。

瞬時に答えられず、調査をしてから、回答させてくださいと言われたから、相続問題に詳しくないというものでもありません。慎重に調べてくれるのは誠実な態度です。

あとは、とにかく、相談者であるあなたの言い分を人ごとでない態度で、しっかり聞いてくれる。そして、回答も具体的で熱心に説明してくれる。今日これから、何をどういう手順で取り掛かれば良いか、親切に教えてくれる。質問も遠慮せずにしやすい。

また、説明も図解などのツールにより分かりやすくしてくれて、その説明のメモも渡してくれる、そんな弁護士ですと安心できます。

ちなみに、私の事務所では、相続手続の実務に精通したベテランの職員が、弁護士と同席して、一緒にお話を聞きますので、弁護士に直接聞きづらいことも、依頼者目線に近い、職員に遠慮なくなんでも質問がしやすいので、とても喜ばれています。

相談後は、事務所の公式アカウントのラインで気軽に事務連絡(依頼するにときにどんな書類をそろえて持参したらよいかなど)の質問や、今後の予約などについて連絡がいつでも簡単に取れますので、皆さんとても安心してご依頼をされています。

弁護士にかかる費用の理由や内訳を丁寧に説明する弁護士に依頼を

弁護士にご相談いただく際に一番ご不安に思われているのは「弁護士費用=料金」のことではないでしょうか。みなさんにとって慣れない言葉が多く使われるため、私もできるだけ丁寧にご説明しようと努めておりますが、それでもご質問をいただくことが数多くあります。

当事務所にいらしたお客様から聞いた話では、弁護士によっては内訳や理由などを説明せずに口頭で「200万円くらいかかりますよ?やりますか?」と提案するような先生もいるようです。もちろんですが、見積などを作り丁寧に説明をしてくれる弁護士を選ぶべきです。

しかし、そもそも見積もりに書いてある言葉がよくわからないという方が多いため、ここで簡単に解説させていただきます。

出張日当とは 

出張日当とは、弁護士が事務所以外の場所に出向いて弁護活動を行う際にかかる費用のことです。

出廷日当とは

出廷日当とは、弁護士が代理人として裁判や調停の期日に1回出廷するごとに支払う費用のことをいいます。

交通費とは

交通費は、出張などのために掛かる公共交通機関や高速代の費用です

印紙代とは

裁判などの申立のため、裁判所に納める手数料です。

不動産鑑定費用とは

不動産鑑定費用は、不動産鑑定士に支払う鑑定代のことです。不動産の遺産分割の事件では、土地建物の価格が争われる事があります。市の固定資産税の評価よりも低いとか高いとかを主張する場合には、不動産鑑定士の鑑定がないと認められません。

実費に含まれるもの(よくあるものを記載しています)

・全部事項証明

・戸籍取得費用

・手紙の受発送の費用

話を最後まで聞いてくれて、メリット・デメリットの両方を説明する弁護士に依頼をしましょう。

最後にお伝えしたいのは、あなたの話をしっかり聞き、メリットもデメリットも伝える弁護士に依頼すべきということです。

相続の相談者からよく聞かれるのは、「他の弁護士事務所に行ったら、一方的に話されて話をよく聞いてくれなかった」や「よくわからないが叱られて怖かった」のような、弁護士がきちんと話を聞いてくれなかったというものが意外に多いものです。

良い弁護士というのは、相談者の希望をしっかり聞いたうえで、その希望を実現するための方法や、実現できるかどうかを忖度なしに伝えられる弁護士だと思います。

相続に関する法律上の決まりには、感情的には納得しにくいこともあるのが現実です。

例えば、介護を一生懸命していた相続人と、全くしていなかった相続人が兄弟で、それ以外の条件が同じだった場合、遺産は半分ずつ分けることが決まりなのが法律の世界です。

そのため、私たち弁護士はあなたの希望通りにいかないこともお伝えすることがあります。

納得できないことかもしれませんが、できないことをできると言って報酬をいただくような弁護士は良い弁護士とはいえません。

あなたにとって本当に正しい提案をしてくれる弁護士かどうかを見極めることが重要です。

最後になりますが…

弁護士に依頼する目的は、相続する遺産を増やすことがほとんどかと思いますが、

相続トラブルが発生しているときには、相手とのやり取りや裁判所へ提出する文章の作成などを全て弁護士に任せることで、精神的に非常に楽になることができるため、相手とのやり取りのクッションとして弁護士を活用していただくのも効果的だと考えています。

ご家族が亡くなり、非常に悲しい思いをされているときに、故人を偲ぶ時間を十分にとるためにも、弁護士へのご依頼を検討していただいてもよいかと思います。