遺言と相続放棄を活用し、管理困難な不動産の承継を回避した事案

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事案概要
ご相談者様(奥様とお子様)のお父様には、先祖代々引き継がれてきた建物、山林、農地といった複数の不動産がございました。しかし、これらはお父様のご兄弟の間でも遺産分割が済んでいないまま長年放置されており、お父様はご自身の持分(法定相続分)を有している状態でした。ご家族は、これらの不動産は遠方で管理も難しく、将来引き継ぎたくないというお悩みをお持ちで、当事務所にご相談されました。
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ご依頼の背景
問題の不動産は、利用する予定が全くないにもかかわらず、相続すれば管理責任や固定資産税の負担が将来にわたって発生し続けます。一方で、お父様には借金などはなく、ご家族が現在住んでいるご自宅や、生活資金となる預貯金もございました。「問題の不動産だけを引き継がずに済む方法はないか」と、生前対策の必要性を感じ、当事務所にご相談いただきました。
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弁護士の対応
まず、当事務所の弁護士がご家族とお父様から詳細にお話を伺いました。お父様には多額の借金などがなく、ご家族が引き継ぎたいご自宅や預貯金があることを慎重に確認しました。そこで、弁護士は「相続放棄」と「遺言による遺贈」を組み合わせる計画をご提案しました。具体的には、まず、お父様がご健在なうちに、「ご自宅と金融財産を、奥様とお子様たちに“遺贈”する」という内容の公正証書遺言を作成いただきました。その後、残念ながらお父様がお亡くなりになり、相続が開始されました。当事務所は、当初の計画通り、速やかに奥様とお子様2名の代理人として家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、無事に受理されました。
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ポイント
今回の事案の鍵は、生前の「遺言による遺贈」と相続発生後の「相続放棄」を戦略的に組み合わせた点にあります。
結果として、ご家族は、相続放棄によって懸案だった管理困難な不動産に関する一切の権利義務(管理責任や固定資産税の支払い義務)を手放すことができました。それと同時に、遺言書に基づき、生活の基盤であるご自宅と預貯金を確実に引き継ぐことができ、ご家族の希望通りの未来を実現することができました。生前から弁護士にご相談いただいたことで、最適な対策を講じることができました。

■ 昭和44年 山口県立大嶺高等学校卒業
■ 昭和48年 神奈川大学法学部卒業
■ 昭和50年 株式会社判例時報社入社
■ 昭和53年 司法試験合格
■ 昭和54年 株式会社判例時報社退職
■ 昭和54年 司法研修所入所
■ 昭和56年 司法研修所卒業
■ 昭和56年 弁護士登録(埼玉弁護士会)
■ 昭和58年 山口県弁護士会に登録変更
■ 昭和58年 下関市に「若松敏幸法律事務所」開設
■ 平成17年 山口県弁護士会会長
■ 平成4年~現在日本弁護士連合会 弁護士業務改革委員会 委員



