遺留分侵害額請求により、迅速な遺産分割を実現した事例

事案概要
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依頼者:60代・男性
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被相続人:母親
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相手方:兄
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遺産総額:4,000万円(預貯金3,000万円を含む)
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相談に至った経緯
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依頼者の兄が、母親の遺言書に基づき全遺産を相続した。依頼者は軽度の認知症を患っており、兄は時に高圧的な態度を取られることがあった。依頼者は、母親の葬儀後、兄から遺産分割の話はなく、連絡をしても無視されたため、弁護士に相談した。
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弁護士の対応
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詳細な状況把握と遺留分額の算出
- 依頼者から詳細な状況を聴き取り、遺言書の内容、遺産総額を精査し、遺留分額を正確に算出した。
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内容証明郵便による遺留分侵害額請求
- 算出した遺留分額に基づき、法的根拠を明記した内容証明郵便を作成し、相手方に送付した。
- 内容証明郵便の送付により、相手方に遺留分の存在と法的義務を明確に認識させ、遺産分割協議への参加を促し、早期解決への道筋を示した。
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迅速な遺産分割協議の実施と合意
- 内容証明郵便送付後、相手方から速やかに連絡があり、遺産分割協議を実施した。
- 遺留分に基づき、具体的な分割案を提示し、交渉を重ね、早期に合意に至った。
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遺産分割協議書の作成
- 後日紛争がおきないように遺産分割協議書を作成する。
- 今回の事例では遺留分を主張し、1/4の遺産を取得することに成功しました。
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事件のポイント
- ・遺言書があっても、相続人には遺留分が保障されている。
- ・内容証明郵便は、相手方に法的義務を認識させ、迅速な解決を促す効果がある。
- ・軽度の認知症を患っている依頼者のために、弁護士が適切なサポートを行い、不利な状況にならないように配慮した。
- ・早期に弁護士が介入することで、迅速かつ円満な解決が期待できる。
この記事の執筆者

オーシャンズ若松法律事務所
代表弁護士
若松 敏幸
保有資格弁護士
専門分野生前対策、相続トラブル解決
経歴
■ 昭和44年 山口県立大嶺高等学校卒業
■ 昭和48年 神奈川大学法学部卒業
■ 昭和50年 株式会社判例時報社入社
■ 昭和53年 司法試験合格
■ 昭和54年 株式会社判例時報社退職
■ 昭和54年 司法研修所入所
■ 昭和56年 司法研修所卒業
■ 昭和56年 弁護士登録(埼玉弁護士会)
■ 昭和58年 山口県弁護士会に登録変更
■ 昭和58年 下関市に「若松敏幸法律事務所」開設
■ 平成17年 山口県弁護士会会長
■ 平成4年~現在日本弁護士連合会 弁護士業務改革委員会 委員