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遺産分割交渉における弁護士費用の負担調整により、依頼者の負担を軽減した事例

事案概要

相談に至った経緯

依頼者は、遺産分割協議を進める中で、自身の弁護士費用を全て自己負担することに不公平感を感じていた。遺産分割は相続人全員に関わる問題であり、弁護士に依頼することで全体の解決が促進されるにもかかわらず、特定の相続人のみが費用を負担するのは納得がいかないという状況であった。依頼者は、自身の負担を少しでも軽減したいと考え、弁護士費用を、まず遺産の中から差し引き、残りの遺産を分割するように協議してもらえないかということで、当事務所に相談した。

弁護士の対応

弁護士費用の負担に関する法的・実務的検討
交渉段階での弁護士費用考慮の提案
交渉による合意形成

ポイント

交渉段階での柔軟な対応の可能性

遺産分割調停や審判といった裁判手続きでは、弁護士費用を遺産から支払うことや、相手方に負担させることは原則として認められない。しかし、交渉段階であれば、当事者間の合意によって、遺産分割の取得分を調整することで、実質的に弁護士費用を考慮した解決を図ることが可能である。

依頼者の経済的負担の軽減

弁護士費用は決して安価ではないため、その負担が依頼者にとって大きな懸念となる場合がある。本件では、弁護士が遺産分割の調整役として、早期で円満に進行できるので、相手方たちも事務的な負担が軽減できることを喜び、分割協議もまとまり易く、その結果、依頼者の経済的負担を軽減し、安心して弁護士に依頼できる環境を提供できた。

弁護士の交渉力の重要性

 このような弁護士費用の負担調整は、相手方相続人の理解と協力が不可欠である。弁護士が、交渉を通じて相手方にメリット(相手方は、遺産分割協議書の取りまとめもせず、株式や預金の解約手続という大変な事務手続きもしないまま、代理人から入金を待つだけという恩恵を受けること)を提示したり、公平性を訴えたりすることで、合意形成へと導く交渉力が重要となる。

この記事の執筆者
オーシャンズ若松法律事務所 代表弁護士 若松 敏幸
保有資格弁護士
専門分野生前対策、相続トラブル解決
経歴

■ 昭和44年 山口県立大嶺高等学校卒業
■ 昭和48年 神奈川大学法学部卒業
■ 昭和50年 株式会社判例時報社入社
■ 昭和53年 司法試験合格
■ 昭和54年 株式会社判例時報社退職
■ 昭和54年 司法研修所入所
■ 昭和56年 司法研修所卒業
■ 昭和56年 弁護士登録(埼玉弁護士会)
■ 昭和58年 山口県弁護士会に登録変更
■ 昭和58年 下関市に「若松敏幸法律事務所」開設
■ 平成17年 山口県弁護士会会長
■ 平成4年~現在日本弁護士連合会 弁護士業務改革委員会 委員

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